アトピー性皮膚炎の新規治療薬

こんにちは副院長の加賀野井です。一気に寒くなりましたね🤧

お肌は乾燥はするわ、油断して運動会で日焼けしてしまうわ、花粉症まで出始めた今日この頃です。

今回はアトピー性皮膚炎の新しい治療薬「デュピクセント」についてお話しします。

アトピー性皮膚炎の皮膚では外からの異物の侵入を防ぐバリア機能が低下しており、皮膚への刺激やアレルギーによって皮膚炎を起こしやすくなっています。皮膚炎が起こると痒い、痒いから引っ掻く、そうするとさらにバリア機能が壊れ、さらにさらに炎症がひどくなる、という悪循環に陥ります。

バリア機能が低下しているので保湿は欠かせませんし、皮膚炎があればステロイドやプロトピックといった外用剤を使用します。プロアクティブ療法(予防療法)、スキンケアだけ症状が落ち着く方も中にはいらっしゃいますが、そうそううまくはいきません😢

デュピクセントは主に炎症を起こしているとされるサイトカイン IL4とIL13を直接ブロッックする生物学的製剤(抗体製剤)という薬です。かゆみや炎症が一気に改善されますので、治療効果は抜群です。アトピー性皮膚炎と同様、免疫が関与する皮膚疾患である乾癬の治療薬にはたくさんの生物学的製剤が承認されていますが、アトピー性皮膚炎ではこれが初めてです。

2018年1月に承認され、2019年6月から自己注射が可能(処方箋で処方可能)となりましたので当院でも取り扱いを開始しています。

誰でも打てるかと言われるとそうではありません。やはり症状が重い方や、今までの治療(内服や外用剤)を続けていてもなかなか良くならない方が対象になります。症状が軽くても精神的に苦痛を感じている方は一度ご相談ください。外用薬の塗る量や手間が軽減されますし、プロアクティブ療法にもうまく持って行きやすくなります。

自分で注射するの!?怖い!?と感じますでしょうか

投与2回目までは院内で医師や看護師が自己注射の指導を行います。その後は注射薬を処方し、2週間に一度、ご自身でご自宅でやって頂きます(不安でしたら何回でも院内で都度指導致します)。みなさんちゃんと自分で注射できるようになりますので大丈夫ですよ。

気になるお値段ですが…😣生物学的製剤は高いです(1本約8万円、もちろん保険適応ですので3割負担で約24000円。2週間に1本ということは、2ヶ月で4本必要なので10万円近い・・・)。😵!ですが、 高額療養費制度が適応となりますので自己負担額は軽減されますし、複数回使用することでさらに負担は下がります(多数回該当)。日本の保険ってすごいです🤝。また会社によっては付加給付制度があったり、学生やひとり親、ご高齢の方などの他の医療費補助制度が適応される方はさらに自己負担額は軽減します。具体的な金額については加入している保険窓口にお問い合わせください。

アトピー性皮膚炎の治療法はステロイドだけではないんですよ🍀

長々と失礼しました。

お気軽にご相談くださいね😊